デマンドチェーンの構築
販売と購買は実は同じことです、そう言ったら、えっ?と驚くかもしれません。でもそうなのです。販売と購買は、同じ売買を売り手から言うのと買い手から言うことの違いなのです。同じ売買を、売り手から言えば「販売」になり、買い手からいえば「購買」になります。でも「購買」の仕組みはあまりありません。ほとんどが「販売」の仕組みです。確かに、学校、工場には「購買部」があります。生協にも「購買生協」があります。でも、本当に「購買」の側から仕組みが組み立てられ、運営されているとは思えません。名称とは裏腹に「販売」のシステムであり運営がなされています。
購買部が生まれるのは、物不足で買うことが困難である時期でしかないのでしょうか。今のように、買い手市場では、売りが先に出て買いが引込むのは仕方ない事かも知れません。しかし、先に見たように「売り」は「買い」がないと成り立ちません。ですから、売りが先に出ていようが、買いが引っ込んでいようが、同じ「売買」として双方の「売り」と「買い」の意思が一致したからこそ「売買」が成立したわけです。ですから、買い手の側に「買いたい」という思いは、潜在的・顕在的にあります。
ただ、客となる多数の買い手は、小売企業一社の売り手よりも意思をまとめにくく買う側の思い、すなわち「良いことは広げ、問題点は改善を求める」ことを伝えにくく、そして微弱音であるために、企業側も聴き逃したり、無視したりしがちなのです。
購買生協は、組合員(オーナー)である、多くの買い手の微弱音をキャッチし、作り手や供給側に的確に伝えるデマンドチェーンシステムを、実効あるシステムに仕上げていく必要があります。そうして「デマンドチェーン」と「サプライチェーン」との間に「善の循環」が成り立つようにしていくことが必要ではないだろうかと思っています。買い手がつくる、本当の意味の「購買業」の確立が求められています。
㈱CMSはそのことに応えていける能力と技術を高めています。