2010年08月17日

ピッキング精度とお届けミス

コープ九州で新しいピッキングシステムを構築しそのミス率が1ppmにレベルアップしと聴いた。すばらしく精度が上がったものだ。その努力に敬意を表したい。

一方で、注文番号6桁から4桁に変わった。組合員さんが注文しやすくするためであろうか?4桁でも週当たり9,999品目の商品が特定できるからいいと思ったのだが・・・。しかし落とし穴があった。注文番号を4桁にすることで、それまで使えていたチェックデジットが使えなくなった。そのためOCRの読み取りミスが多くなったようだ。この間違いは掌握しにくく、組合員さんからの申し出がないとわからないことが多い。

要はシステムを改善することで、共同購入・宅配事業を利用する組合員さんの側からみて「注文が間違いなくでき、注文どおりに間違いなく届く」ということが前進したかどうかということだと思う。上の二つをあわせて考えてみると、事業トータルでひょっとしてミスは増えているかもしれない。

“注文が間違いやすく、注文どおりに届かない要因”はたくさんある。まず、◆注文書への書き間違い (価格を注文番号と間違えて記入することがある) ◆出し忘れ ◆OCR注文書の未回収や紛失等 ◆OCRの読み取りミス、FAX注文書の見間違い ◆データ送信ミス ◆生産者・製造者への手配ミス ◆ベンダー・メーカーからの出荷・配送ミス・入荷チェックミス・流通過程で不良品化 ◆価格ミス ◆ピッキングミス ◆支所への配送ミス・配送事故 ◆組合員さんへの配達ミスなどなど・・・。このように、組合員さんが注文してから、注文どおりに届くまで、間違う可能性のあるいくつもの段階がある。

木桶にたまる水かさのたとえのように、ある段階でとてつもなく精度が高くても、精度はその一番低いレベルにしかならない。注文番号が6桁から4桁に変わったことで、読み取りミスが多くなっているとしたら「注文が間違いなくでき、注文どおりに間違いなく届く」レベルは、あるいは落ちているかも知れない。注文番号の読み取りミスをした後、どんなに正確にピッキングしても、読み取り間違いが“正しく”固定されるだけである。

組合員さんの立場から「注文が間違いなくでき、注文どおりに間違いなく届く」ために、システムトータルをみて、木桶の一番低い板を見付けて、そこをまず改善するということが必要なのだと思う。一週間先の予約を前提とする共同購入・宅配事業において、ミスは生活に大いなる支障をきたす。現状では“注文しやすく注文間違いしにくい方法に改善すること”と“注文書読み取り間違いが少なくなるように工夫すること”とがもっとも優先される課題ではないだろうか、と思っている。

各部門で精度を高める努力は大切であることに変わりはないが、組合員の側すなはち事業全体が見通せる立場から、事業全体を観ることが求められている。それはトップが真っ先に求められる観点であり責任だと考える。部門に精度アップを求める前にトップ自らがしなければならないことだと考える。


2010年08月09日

注文書メニューへの組合員さんごと網かけの意味2

私は共同購入を利用しています!
今まで利用した商品には、注文用紙が”網かけ”に
なるので新企画など全商品利用をめざし、どんどん
利用していきたいと思います。
網かけになっていくのが楽しみです。
以前機関紙“にじのわ”にやめてほしいという意見も
取り上げられていたようですが、
私は大賛成です(^-^)
(コープみやざき組合員MEさん)

こんな活用の仕方、楽しみ方があるのかと
組合員さん方の活用力に驚いた。

今ある仕組みでも色々な活用の仕方を見つけ楽しみに
変えていることはきっとたくさんあるに相異ない。
そんな活用の仕方を収集してみると新しいシステムに
つながるかもしれない。

システムは提供する側だけで考えても面白いものには
ならないと思う。
使う側の知恵や工夫も織りこんでいけば組合員さんが
楽しみながら使いこなしていけるものになるにちがいない。

そんなシステムを作っていきたいものだ。

2010年08月04日

システム構築の前に・・・・・

人間には人間がなかなか殺せないように出来ているらしい。「第2次世界大戦の時には、米兵の2割弱しか、敵兵に向かって発砲していなかったそうです。それで、躊躇せず条件反射的に発砲するよう心理学的知見を使って訓練改善した。結果、ベトナム戦争では発砲率が9割を超えたらしい」〔福岡賢直さん、安里英子さんとの対談より、毎日新聞090812〕

「人に親切にして喜んでもらえると、自分もうれしくなる。だから、益々喜んでもらえるようにする」。これは誰しも体験することだ。このことも「人間はそう出来ている」、としか言いようがない。もともと持っている善的性質を高めていくことによって喜びが増す、逆な動きだと心が破壊されていくのではあるまいか。

「人間はそう出来ている」という性質を出発にして、「善に循環させる」か、「悪に循環させる」かは、社会や組織がもつ文化・風土が決めるということだろう。

さて、「自分だけは別だ」、と言い切れない吾が組織は、吾が社会はどうであろうか?

事物を効率的に変えていくためのものがシステムであるならば、システム構築の前に、善の価値観を醸成しなければならない。その価値観に整合的なシステムだけが、善の循環を創りだすのだと考える。善の価値観を醸成する組織文化・風土になっているか、そしてシステムの真の目的が善の循環を意図したものであるかどうか、そのシステムのあらゆる部分が、善の価値観に整合的になっているかどうか、そのことが確かめられ、改善されていかなければならないと思う。


2010年08月03日

注文書メニューへの組合員さんごと網かけの意味

コープみやざきでは共同購入注文書を、メニュー欄に個々の組合員ごとに過去1年間で買ったことのある商品に網をかけて届けるようになった。その結果一人当たり利用点数が0.3~0.5点増えたという。最近、他の生協から問い合わせや視察が多いようだ。

共同購入注文書の印刷は、コープみやざきの依頼を受けこのCMSで印刷している。ソフト開発や機器の購入に+800万円がかかり、印刷コストも若干上がったが十分に見合う結果になっているという見方だ。そして地域責任者が組合員さんと対話しやすくなり職員からも喜ばれているようだ。

先日行われたコープみやざき総代会では、“カタログでは見落としても注文書で気付き助かる”、“カタログを見る時間がないくらい急いでいるときでも注文書だけで注文できる”などの喜びの声がたくさん寄せられていた。

これが意味することを考えてみたい。

コープみやざきが店舗でやっている“誕生日に買い物に来られた組合員さんがレジを通る際に、○○さま誕生日おめでとうございます!今日は1割引させていただきます!」という企画”のように、個々の組合員ごとに対応することができることである。「皆様」ではなく「○○様」という対応ができるということである。カタログやニュースでは、個々の組合員さんへ対応することは難しい。注文書や納品書や領収書ではそれが可能になる。それを形にしたのが今回の“注文書メニューへの組合員さんごと網かけ”だと考える。

生協では、多くの人を組合員として迎え入れ継続して利用していただいておきながら、過去の履歴をみるのは、未集金のみという、実にもったいない状況になっている。その方の利用経過を観ながらその方に対応していく対応していくことが求められているが、それは地域責任者の記憶のレベルでしかされてこなかった。共同購入事業において経過をみながら個々の組合員ごとに対応していくことが、さらに一歩進んだということではないだろうか。

このことをさらに進めていけば、個人ごとにフィットした注文書が打ち出せる。したがって、組合員さんごとに買う予定がないものをメニュー欄からはずし、字を大きくして見やすく注文しやすい戸別注文書が打ち出せる道が拓けたということではないだろうか。

どのように進化していくか楽しみである。