« 2007年02月 | メイン | 2007年04月 »

2007年03月31日

「餅巾着を買ったが餅巾着を買ったのではない」ことを商品本部に伝えた小山田さん

3月の運営委員会報告書と一緒にお礼の手紙が届きました。
この方は1月のラベルで『“餅巾着”を煮たら、あげが破れたり、口をしばっているひもがほどけたりして大変なことになった。』という内容を寄せられました。状況がいまいち分からなかつたので、私(小山田浩さん)が電話して状況を聴き取つたのですが、その時に『この餅巾着は、(今は亡<なられている)母が大好物で・・。』とお母さんを思い出されたのか、電話口で泣かれてしまいました。

御礼の手紙:餅巾着について。「 “私たちの声で3月号”が届きました。詳しく1ページもとり、掲載していただき恐縮です。御面倒おかけしましたが、こんなにも慎重に、検査、調査して頂きましたことに敬服です。亡き母との強い想い出の食品ゆえに、又いつか母と共に食しているつもりで味わいたかったものですから、要望、検討を提出したわけです。『今度注文したら、又あんなことになると嫌だわ』と頭の中で交錯していますが、熱心な取り組みに、又他に品質不良の報告は無いとのことで、関係者の皆さまへ敬意を表し、再度の注文を勇気を出してしてみようと、私の考えが変わってきました。母が『おいしいな、おいしいな』と言ってくれた大切な想い出の餅巾着ですものね。その時はとても上手に1個の不良品も出ずに、全ていただけましたのに!! 今後に期待しながら今回の親切な対応とてもうれしく思いました。ありがとうございました。だから生協が大好きです。誠意を感じました」。(延岡市 SIさん)

「商品本部をはじめ、各事業本部の皆さん、いつも短時間で丁寧な回答ありがとうございます」と運営委員会事務局小山田さんの添え書きがありました。

㈱CMSはシステム開発の際、ユーザーとメーカーとの間に入って仕事することも多いので、小山田さんのように互いの相手への気遣いとともに、「本当はなにが欲しいのか」をよくつかみ、的確に伝えて齟齬のないようにしなければならないと思ったしだいです。
小山田さん!気付かせてくれてありがとう! 

2007年03月29日

反経営学の経営  常盤文克/片平秀貴/古川一郎共著について

新しい日本的経営のあり方を提示するいくつかのフレーズ
「今の日本企業の経営は、『カネ』を中心に置く米国流に、あまりにも傾き過ぎている。だが、カネ儲けだけが企業活動のゴールなのか」
「企業活動を通じ、自分たちの夢や思いを実現する。また、良きモノやサービスを創造し、世のために尽くす、そんなゴールもあるのではないか」
「『顧客とは何なのか』という点でも、(米国流には)共通の傾向がある。それは、会社(商品の作り手)と顧客(商品の使い手)は互いに独立した個別の布在であり、また、マーケティング戦略を駆使すれば前者は後者をコントロールできる、というものだ」
「一方、我々の世界では、作り手と使い手は、片方がもう一方をコントロールするというのではなく、互いに商品を介して対話をしながら心を通わせ、高まり合う存在だと考えられている。両者は互いに独立した個別の存在ではなく、片方がなければもう一方も存在しないという意味で『一体』なのである」
「作り手が使い手を育て、使い手が作り手を育てることにより、両者の間にいい循環が生まれる」

私が、もやもやと「何かおかしい」と感じていたことの何たるかを、解きほぐしてくれ、あるべき方向を示唆してくれたような気がします。
今、日本には米国流がなだれ込んできていて、いろいろな分野に「文化の混乱」がみられます。20年位前は日本的経営は世界の手本などともてはやされていたものが、ここにいたって全面否定の対象となろうとは・・・・・・・。
濁流と化す前の流れのなかに、一筋の清流を注ぎ込むように、この本が多くの人の心を目覚めさせてくれることを期待しています。

ぜひ読んでいただきますようお願い致します。

2007年03月23日

人間だけに出来ること-コンピュータの助けを借りて

コープみやざき日向支所事務職員の赤木さんが、組合員さんから「麦茶の大作君」の企画問い合わせを受けました。赤木さんは、商品部に電話で企画を確認した後、「もしかしてすぐにでも欲しいのでは?」と思い、日知屋店に在庫を問い合わせて在ることを確認し、そのことも組合員さんに伝えました。お孫さんが他のものだと飲むとおなかをこわすらしく、とても喜ばれていました。ただ聞かれることに応えるだけでなく、一歩進んだ対応をしているところがすばらしいと思いました。(日向エリア長 佐川嘉宏さん週報より)

買う方の思いに立った赤木さんの対応はすばらしいです。それに光をあてた佐川さんの気付きもすばらしい。供給側にいる私たちは、供給側からコトを見て需要側の思いを見落としがちですが、それだけでは視野が狭くなります。買う方の立場や思いも感じ取って、両方が折り合うように仮説を立てて、より良くなるように対応していくことの大切さを教えてくれた事例でした。

コンピュータシステムに携わる我々が、もっとも気をつけないといけないことです。コンピュータから出されるデータを意味ある情報として読み取る感性を常に磨かなければいけません。赤木さんのような対応事例に学んで、事象を深く読み取れるよう感性を磨いていきたいと思います。

赤木さん、佐川さんありがとう。

2007年03月13日

コンピュータと人間

 それがなくては生きて行かれないのに、普段それがあることすら忘れているものに「空気」があります。水にもぐるとか、空気の汚いところに行って、呼吸ができなくなるとその重大さに気付きます。「空気」以上に意識されていないものに「重力」があります。宇宙飛行士など、無重力状態に永くいると、筋肉はもちろん骨も退化していくそうですね。
 「重力」は、地球の引力と自転による遠心力の合力だと習いました。日本付近は9.8m/sec(2)の加速度で存在するそうです。ふと気付いたことがあります。地球の衛星に月がありますが、互いの引力と遠心力が働いていて潮の満ち干があるわけですから、その力も地球上の遍(あまね)く一点に、働いているはずです。また、地球は月共々太陽の周りを公転していますのでその力も働いているはずです。さらに、太陽系の星は、銀河の中を公転しているはずですのでその力も働いているはずです。その銀河も大宇宙を公転?しているはずですからその力も。そして大宇宙はすごいスピードで膨張しているそうですのでその力も・・・・。
 ですから、重力に遵(したが)うということは、大宇宙の働きと一体になることであり、人間の頭脳で処理出来ることではないことに気付きます。脳を含めた身体全体で感じ取っていくしかないわけです。自然随順とはこのことをさすのではないかと思いました。
 でも、そうしようとすればするほど自分の身体の感覚が「鈍ってきている」「拓いていない」と痛切に感じてしまいます。昔の人であれば感じ取れるのに今は感じ取れないことは多分大変多いのでしょう。
 コンピュータ処理と人間の頭脳の処理の役割分担を考えてみるに、言葉や数などの「概念」の処理はコンピュータで、そもそもオンリーワンである「(事物の)存在」は、概念化してないわけですから、身体感覚を通して頭脳で処理をしないとまずいのではなかろかと思います。というか、今のところ人間にしかできないことを、コンピュータや他人に頼ろうとする依頼心を捨て、感覚を拓くことに努力しなければ、感じとる能力は落ちていってしまうのではなかろうかと危惧します。裏返していえば、概念化されていない「存在」である「場」や「コト」や「対象」を、私たちが感覚を研ぎ澄まして捉え、適切に対処していくことに集中していくために、コンピュータを活用するのだと考えたい。

2007年03月02日

ITシステムの役割を考える

  昨年の11月より、損保会社の満期案内の書類を送った後の対応を、プラスサービス(コープみやざきの子会社・保険代理店)で行うことにしている。以前は、損保会社のダイヤルサービスセンターに依頼をして、フォローコールで条件の聞き取り等をしていただいていた。損保会社のスタッフの対応はきちんとしており、こちらにとっては、かなり助かっていたのであるが、組合員さんにとってみれば、コープみやざきで契約をしたのに「何で東京から電話がかかってくるのだろう」といった不安な心境もあったようだ。そのせいか、こちらに直接問い合わせをする方も多くなり、どこに問い合わせをしていいのかを明確にしたほうが組合員さんにとっては、わかりやすいと思った。
  そこで、自動車保険の担当間で話し合い、小茂田マネージャーの確認を得て、すべてプラスサービスで満期対応を行うことにした。以前は、ダイヤルサービスセンターで条件確認の聞き取りをしていたので、こちらから能動的に電話をすることはなかったが、現在は連絡を取ることが増えた。その効果としては、組合員さんと直接お話をすることによって、家庭環境がわかり、県外にいる大学生の息子さんや娘さんがいるとか、もうすぐ免許を取る子供がいるなどの情報を得ることができる。おかげで、免許をとったばかりですぐ車を購入したお子さんの自動車保険の契約をしていただく事にもつながった。
 今後も組合員さんと直接話すことにより、組合員さんの暮らしに合った自動車保険を提案していきたいと思う。(プラスサービス 米原浩一さん)
  
  組合員さんの暮らしぶりを知って、いろいろな面から役に立っていこうとする、米原さんの姿勢はとてもいいと思いました。
  このようなケースで、㈱CMS・ITシステムの役割はいったいなんだろうかと考えてみました。新宿歌舞伎町の商売はともかく、そのほとんどが組合員さんや顧客との継続的助け合う関係性を前提としています。生協・会社と組合員さん・顧客との、助けあう関係性は人を介してでしか構築できません。
  紹介した事例は、一見手間がかかりコストが高くなりそうに見えますが、これから長期に何年も契約が続くとすれば、コスト比率はさがります。逆に、目先のコストが安くても契約が短くなればコスト比率は高くなります。
  したがって、ITシステムの役割の最大のことは、事業組織・職員と組合員さんや顧客との良好な関係性を高めるための支援ができることではないかと思っています。その方向性のなかでコストダウンを図ることは当然ですが・・・。