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2006年10月17日

生協組合員さんからの便りの向こう側

  コープみやざきのある組合員さん:「いつもお世話になっています。昨日運動会が済みホッとしています。今年は初めてコープの商品を注文して運動会のお弁当に利用したところ、昼食のとき子供が『今日はいつもよりおいしいね!』と言いました。『そうね、コープのを頼んだのよ』と言ったら『だからおいしいんだ!』と言いました。初めてでした・・・。私も嬉しくなり、いつもより沢山食べていました」
  甲斐大策エリア長:「いただいた文章を読んで、胸がふるえるほど感動しました。私もこの方の加入に携わったのですが、この方は加入される前に乳癌で手術しており、抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けたりと、外に出るのもつらい日々を送っている方でした。旦那さんは出張が多く、買い物も旦那さんが帰ってきたときに、知り合いの人に会わないように、夜遅く行かれていました。『主人も疲れているのに申し訳ない』と言う気持ちで過ごされていた方です。生協がお役に立っていることも嬉しいのですが、あれほど人目を気にされていた組合員さんが、子供さんの運動会にお弁当を作って持って行き、元気に過ごされていることがとても嬉しかったです」
 コープみやざき共同購入事業本部・団らんニュースより

  便りの内容も嬉しかったのですが、甲斐さんのコメントを読んでいるうちに、私も涙が出てきました。背景を知ることで、便りの意味合いの深さがまったく異なってきます。ひとつの便りからその背景を読み取ることは、できないにしてもできるだけ読み取ろうと努力しなければならないな、そう思いました。
  情報とは、コンピュータで作るデータに、人の心で意味づけされたものだと思います。㈱CMSは、こんな心に学んでシステム構築を図りたく思います。

2006年10月11日

運動会が中止になったら、運動会弁当の当日キャンセルOK

 運動会には、運動会弁当が付き物ですが、天気の都合で延期になれば、家庭ではその弁当の処置に困ってしまいます。もちろん学校の職員さんが一番大変なのですが、生協でも何とか役立つことは出来ないかと,ズーっと考えられてきました。
 もう4~5年前になりますか、コープみやざきの亀田高秀専務理事が、商業界ゼミナールに参加して、運動会弁当の当日キャンセルOKの弁当屋「芝寿し」さんの話を聴いてきました。石川県金沢市に本社がある「芝寿し」では、その数年前から、天候により中止になる野外行事の場合、「雨天中止キャンセル」が出来るようになっています。主催者が一番頭を悩ますリスクに対して、会社を挙げて対応するとのことでした。「芝寿し」は、決して小さな会社ではなく、受注数も相当の数です。キャンセルになった場合、急いで詰め合わせを変更し、二十数店ある店に分散して処置するのだそうです。普通はやりたくない、頭の下がる取り組みです。
 「これは生協でこそやらないといけない!」という思いで、コープみやざきではH17年から始めました。昨年はキャンセルもなく、注文数も増えました。
 はたして今年、H18年9月17日(日)県内全域台風に見舞われ、ほとんどの運動会が中止になりました。受注数は、昨年の倍、876点、300万円超でした。ほとんどがキャンセルになるはずです。中には、運動会が中止になっても、注文した弁当は引き取ってくださる組合員さんもおりましたが、コープみやざきと取引先とでマイナス金額を負担しあうことにして、「すべて半額」にして、組合員さんと職員に売ることにしました。
 店で、そのことを案内すると協力してくれる組合員さんが多く、それこそあっという間に売り切れ、職員にはその弁当が渡らないくらいでした。三方良しという言葉がありますが、キャンセルというリスクを、組合員さん・お取引先・生協の三者で分担することができ、皆から大変喜ばれました。これを一度経験したおかげで、運動会弁当当日キャンセルOKが怖くなくなくなりました。
 このことは、コンピュータシステムがあったから素早く変更できたわけですが、そもそもの仕組み・システム構築の思想、すなわち「その日の状況に応じて、素早く変更が効く仕組み・システム」としてつくられていたからこそ対応できたのだと思います。
 通常がうまくいくのはある意味当然ですが、もしもアクシデントがあった場合でも、最小のリスクで乗り切れるように、仕組み・システムを構築し運用することが、転換期といわれる今こそ求められているのではないかと思っています。
 ㈱CMSは、そんなシステム構築の要請に応えられるよう努力しています。
 

2006年10月04日

店で働く職員の仮説立てを支援する「コンピュータシステム」を構築します

  システムとは〔インプット-作用-アウトプット〕で表されるすべてのものであるとすれば、システムは「コンピュータシステム」「ITシステム」では包含できません。むしろ、システムを有効に運用するための補完として「コンピュータシステム」「ITシステム」があると考えたほうが良いと思います。「コンピュータシステム」「ITシステム」を補完するために人間が要ると考えるシステムよりもはるかに健全だと思います。
  人間を介在させずにシステムを動かす「自動化システム」と、人間の判断・意志を活かすために、それを支援するシステムとでは、「コンピュータシステム」「ITシステム」の構築内容は相当異なるものになるでしょう。
  例えば、店舗システムに「コンピュータによる自動発注システム」があります。過去の経験、売れ数実績を与件として与えて、コンピュータに売れ数を計算させ、それに基づいて発注する方法です。それに対して、コープみやざきでは、オーダーブックを発展させた「携帯端末」で、職員が過去2週間の実績をみて、天気・行事・職員の意気込みなど考慮し、売れ数の仮説をたてて発注します。「人間の仮説による発注システム」とでも言えば良いでしょうか。当然、ハードとしての「コンピュータシステム」は大きく異なりますが、それだけではなく店舗運営組織や仕事分担の仕方、職員の心配りも大きく異なってきます。ですから、どちらの道を選ぶのかは大変重大なことなのです。
  組合員さんのくらしは、そんなに予定通り進むものではありません。むしろ、時々刻々と変わっていくものです。店舗では、発注に狂いが生じることはむしろ当たり前です。ですから「発注精度」を上げるというよりも、仮説に狂いが生じた時にどう対処するかが大事だと思うのです。想定した与件・予測が狂った時、どちらが対処し易いかは、明らかでしょう。また、「自動化度」が高いほど、費用がかさみます。
  ㈱CMSは、運営する人間を支援し補完するシステム構築にこだわっていきたいと思っています。