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2006年11月23日

コープみやざき組合員証・組合員カード

「私も主人に、コープみやざきの組合員家族カードを持たせているのですが、いつも車に置いたままで『(ガソリンスタンドで)使わんかったぁーっ』といっています。『せっかくなのだからマメに使わにゃあー。割戻しが付くとよぉーっ!』といっているのですけどね」〔J.M.さん〕。
  
  コープカードがこのように定着しているのは嬉しいかぎりです。1988年一号店をオープンさせたときに、組合員で無い人のチェックのために始められたものですが、それだけではもったいない、他のものに使えないかと検討した結果、ガソリンの提携事業にも活用が広がりました。あれから17年が経ちますが、かなり定着してきたようです。

  前にも書きましたが、員外利用をさせないためにはじめた磁気カード組合員証でしたが、ガソリンスタンド(現在県内52店舗)で利用するほかに、コープみやざき店舗で買い物をしたときでも銀行引き落としで買えることや、カードを提示すれば組合員価格で温泉など利用できるというように「協力店事業」にも活用されています。
 いま、全国的に「エディー」や「スイカ」など先払い方式の電子マネーが広がっています。コープみやざきの組合員カードはいまのところ、買った後に支払いをする料金後払い方式ですが、電子マネーのように先払い方式も、このカードで出来るようになれば良いなと思っています。

  車や住宅のローンやクレジットカードが国民生活に定着し、「借金」して暮らすことは常態化してはいますし、「借金」しているという実感すらないことも多いようです。が、やはり日常の生活費くらいは、貯めてあるお金で賄うことが、精神的にも家計的にも健全な姿だと思います。

  この組合員カードを先払いの機能もふくめ、もっといろいろなところで活用できればいいなと思って、あれこれ活用方法を考えています。

2006年11月15日

シアトル酋長の言葉

  ある生協の理事長から、ネイティブアメリカンの「シアトル酋長」の言葉を教えてもらいました。日本で暮らしている私たちにとっても、忘れてはいけない言葉だと感じましたので紹介いたします。
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あなたがたは、空をどうやって買おうというのか。
雨や、風を、あなたがたは所有できると思っているのだろうか。
   
われらは大地の一部であり、大地もわれらの一部である。
香りゆたかな花々は、われらの姉であり、妹である。
熊や、鹿、大空を羽ばたく驚は、われらの兄であり、弟である。
岩の尾根、緑の野原、そこを駆ける馬たちは、みんなひとつの家族なのだ。
   
遠い祖先の声が聞こえる・ ・ ・ ・ ・ ・。
川を流れる水は、ただの水ではないのだよ。
我らの祖父の、そのまた祖父のからだを流れた血なのだよ。
   
祖父の声が聞こえる・・・・・・・。
空気は大事なものだ。吹く風は、私に最初の息をくれた。
そして最後の息を, 引き取ってくれた。大地と空気を敬うがよい。
   
祖母の声も聞こえる。
お前の子どもたちに、教えておやり、大地に起こることはみな、
大地の息子や娘たち一人ひとりに起こるのだということを

あなたがたが、この大地で何をするつもりなのか、私にはわからない。
だが、われらの土地を買うならば、われらが愛したようにこの大地を愛して欲しい。
あなたがたの子どもたちの、そのまた子どもたちのために、大地と風と川を大事にし、
われらが愛したように、それらを愛してもらいたい。
   
われわれは次のことを知っている。
地球が人間に属しているのではなく、
人間が地球に属しているのだということを・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。
人間が生命の入り組んだ関係を織ったのではない。
人間はただその織物のより糸にすぎないのだ。
人間がその織物に対してなすことがすべて、自らに対してなすことになる。
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自分が生まれるためには、父親と母親が必要でした。その父親と母親にとってもそれぞれの、父親・母親が必要でした。代が30代つまり2の30乗になると10億人を超えます。40代では10兆人を超えます。遠い先祖に思いをめぐらし、これから先の遠い未来をみつめると、人間にとっての大事な事が見えてくるような気がします。

そのことを踏まえて仕事をしないといけないな、そう思わせてくれた「シアトル酋長」の言葉でした。

2006年11月08日

生協組合員証としてのコープカードとチェックのしかた

  1988年、コープみやざきの一号店、コープ柳丸店を設立する頃の話です。おりしも日本中が「生協規制」の政治的空気で蔓延していました。九州では地域生協最後の店舗出店県になる、この宮崎でも「生協の店を出店させてはならない」ということで出店反対のカンパニア運動が巻き起こりました。出店反対の請願に宮崎市選出の4人の自民党県議が紹介議員に名を連ねたものですから、反対する側は鼻息も荒く、全国的には考えられない厳しい要求をしてきました。その一つが利用者のチェックです。「生協の店には、組合員以外は一人も利用させてはならない。どのようにして組合員とそうでない人を見分けるのか」との問いかけに、その方法が思いつかずに困ってしまいました。他県の生協は、組合員さんにメダルなどを渡して月に数回「メダル提示」をしてもらいチェックするというようなもので、毎日逐一チェックする方法はとっていませんでした。
  店舗も初めてで、経営体力もない、コープみやざきにこれほどの要求を突きつけてくる人達や紹介議員に怒りを覚えましたが、法律は守るしかないということで導入したのが、磁気カード組合員証でした。組合員さん全員に「組合員カード」、その家族の方には「家族カード」を渡して、店舗を利用する際にはレジで「組合員カード」か「家族カード」を出してもらい利用してもらうのです。利用資格を問うような店舗は他になく、新店オープンの買い物に来てレジでそのことを告げられると、「ふざけるな!」と起こって帰られる方がたくさん出ました。
  もうひとつ困った問題は、組合員さんとその家族全員をPOSに登録しておかなければなりません。当時のPOSサーバーでは、他のデータを他に移してやっと登録できるほどしか容量がありませんでしたので大変苦労がありました。しかし、このことが利用者の「ポジティブチェック方式」に道を開きました。
  クレジットカードはほとんど「ネガティブチェック方式」です。カードに対して認証を与え、与えられてないカードをチェックする方式です。それに対して、コープみやざきの「ポジティブチェック方式」の方法は、カードには意味を持たせずに、組合員さんの情報管理を行い、掛買いをしたい人だけに掛買いを認めるというものです。多人数を登録しなければならないこの方法を採用するときには迷いましたが、松本六太宮崎銀行元常務取締役(故人)の「この方法のほうが間違いが少ないよ」とのアドバイスもあり、この方式で行くことにしました。松本さんには、コープみやざきのシステムのことなどでは大変お世話になっています。(別の機会に紹介したいと思います)。
  生協であればこのカードチェックの方式は、「ポジティブチェック方式」をお勧めします。生協でなくても百万人単位のカードであればこの方式がいいと思います。利点は、利用条件に変更がある場合でも、いちいちカードを取り替えなくてもいいこと、カードを紛失した場合の危険が少ないなどです。
  そのようにみていくと、世の中のしくみを「利用者にとって本当にこれがベストか?」という目で見直すともっともっと創造的システムが出来てくるように思っています。

生協組合員証としてのコープカードとチェックのしかた

  1988年、コープみやざきの一号店、コープ柳丸店を設立する頃の話です。おりしも日本中が「生協規制」の政治的空気で蔓延していました。九州では地域生協最後の店舗出店県になる、この宮崎でも「生協の店を出店させてはならない」ということで出店反対のカンパニア運動が巻き起こりました。出店反対の請願に宮崎市選出の4人の自民党県議が紹介議員に名を連ねたものですから、反対する側は鼻息も荒く、全国的には考えられない厳しい要求をしてきました。その一つが利用者のチェックです。「生協の店には、組合員以外は一人も利用させてはならない。どのようにして組合員とそうでない人を見分けるのか」との問いかけに、その方法が思いつかずに困ってしまいました。他県の生協は、組合員さんにメダルなどを渡して月に数回「メダル提示」をしてもらいチェックするというようなもので、毎日逐一チェックする方法はとっていませんでした。
  店舗も初めてで、経営体力もない、コープみやざきにこれほどの要求を突きつけてくる人達や紹介議員に怒りを覚えましたが、法律は守るしかないということで導入したのが、磁気カード組合員証でした。組合員さん全員に「組合員カード」、その家族の方には「家族カード」を渡して、店舗を利用する際にはレジで「組合員カード」か「家族カード」を出してもらい利用してもらうのです。利用資格を問うような店舗は他になく、新店オープンの買い物に来てレジでそのことを告げられると、「ふざけるな!」と起こって帰られる方がたくさん出ました。
  もうひとつ困った問題は、組合員さんとその家族全員をPOSに登録しておかなければなりません。当時のPOSサーバーでは、他のデータを他に移してやっと登録できるほどしか容量がありませんでしたので大変苦労がありました。しかし、このことが利用者の「ポジティブチェック方式」に道を開きました。
  クレジットカードはほとんど「ネガティブチェック方式」です。カードに対して認証を与え、与えられてないカードをチェックする方式です。それに対して、コープみやざきの「ポジティブチェック方式」の方法は、カードには意味を持たせずに、組合員さんの情報管理を行い、掛買いをしたい人は事前に登録し、その人だけに掛買いを認めるというものです。多人数を登録しなければならないこの方法を採用するときには迷いましたが、松本六太宮崎銀行元常務取締役(故人)の「この方法のほうが間違いが少ないよ」とのアドバイスもあり、この方式で行くことにしました。今、「本当に良かったなー」と思います。松本さんには、コープみやざきのシステムのことなどでは大変お世話になっています。(別の機会に紹介したいと思います)。
  生協であればこのカードチェックの方式は、「ポジティブチェック方式」をお勧めします。生協でなくても百万人単位のカードであればこの方式がいいと思います。利点は、利用条件に変更がある場合でも、いちいちカードを取り替えなくてもいいこと、カードを紛失した場合の危険が少ないなどです。
  そのようにみていくと、世の中のしくみを「利用者にとって本当にこれがベストか?」という目で見直すともっともっと創造的システムが出来てくるように思っています。

2006年11月02日

システムではどうしようもないことへの対処の仕方は?

㈱CMSのオーナーである、コープみやざきの店舗で、店長がいつも悩まされている問題があります。「身体障害者用の駐車場に、健常者が停めていて使えない。何とかしてほしい」という苦情が寄せられることです。駐車場前に「ここは障害者専用の駐車場です」と大きく表示してからその苦情は少し少なくなりましたが、やはり時々寄せられます。その度に店長は悩まされるわけです。そして他から見える身体障害ばかりでなく、見えないところに障害がある場合もありますし、一時的な病気なども考えられます。ですから一見健常者にみえても、健常者とは限らないからなおさら厄介です。コープみやざきでは、女性が多く停めることを配慮して、店舗の駐車場は1台あたりのスペースを少し広めにとっています。駐車場への費用を少なくしているわけではありません。また、何らかの障害で店までいけない場合、駐車場から電話をしていただくと職員がその方を迎えに行くという仕組みも準備し態勢を整えています。でも、この問題は「お金」や「システム」た「運営態勢」の問題というよりか「こころ」の問題であるだけに、これといった決め手はありません。
  この問題でもいえるように、たとえ仕組みをつくり、ルールを決めて、システムなどを完備しても、それで「人」を制御することは不可能です。むしろ逆に「人」がそうしやすい条件をつくる一環として「システム」をつくることが必要だと思いました。
  障害者駐車場の問題やごみのポイ捨て問題などこの種の問題を、解決に向けてどう接近していくか、何か実践されていることがありましたら、教えてもらえるとありがたく思います。