基本が大切だ・・・・
仕事でも、お稽古事でも「基本が大切だ」とよく聞く。
確かにそうなのだが、そう言っている人に「どうして基本が大切なのですか?」と問うと、どう答えるだろうか?
永い期間、古伝空手を修行してきて、近頃になってやっと、本当に「基本が大切だなぁ」と、しみじみと感じている。
これまでは先輩方がそう言われるから、私もそう言っていた、だけのように思う。
「基本」を辞書で引くと「物事がそれに基づいて成り立つような根本」とあった。
であるならば、物事の「基本」が分かるということは、物事の全体像が分かっていなければならないということになる。
その上で物事の根本になる「基本」を見出すわけである。
物事に習熟した人の役割は、その「基本」を改めて見出すことではないか。
今まで基本とされていたことを、自分の体験的に得た全体像から、自分が「これが基本だ!」と思えることを、改めて仮説的に見出すことではないか。
そして、その「仮説の基本」を実践的に検証してみる。
そして仮説を修正する。
このように「自分で見出した基本」(師から教えられたこととまったく同じになってもいい)を独りで掘り下げていくプロセスを経て、後輩に「これが基本だ」と確信を持って指導していくことが、熟練者に求められている、と思う。
初心者はどうすればいいか?
信頼できる指導者を心のなかで「師」として、その師の言う「基本」を、自分が習熟しその全体像がしっかりと分かるまで、実践し続けることだ。
全体像が見えてくると、師の言う基本を「なるほど」というように理解できてくる。
そのとき自己の内面から”基本は本当に大切なものだ!“という気持ちが自然に湧き上がる。
それまでの「基本が大切だ」は、まだ、実感が伴なっていず、受け売りにすぎない。
「基本が大切だ」そう確信を持って言いきれるように、自分が受け持つ物事に習熟していきたいものだ。
自分にそう言い聞かせている。
皆さんが考える「基本が大切だ」をコメントに書き込んでもらえると嬉しい。
よろしくお願いします。