トヨタ生産方式-脱規模の経営をめざして-大野耐一に学ぶ
「トヨタ生産方式-脱規模の経営をめざして- 元トヨタ自動車工業㈱副社長 大野耐一著 ダイヤモンド社」を最近読み返してみました。脱規模の経営を目指したトヨタが世界一の規模になったとは歴史の皮肉でしょうか?この本は1978年5月25日に初版が出版されております。30年以上前に出されたこの本は今にあっても古臭いどころか、今の経済状況下でこそ、企業経営のあり方を示唆する、原点的な著作だと感じ入りました。
「トヨタ生産方式は、量とスピードを追求するあまり、いたずらにロスを生み出してしまうマス・プロダクションとマス・セールスへの、いわばアンチテーゼである」。大野さんはトヨタ自工とトヨタ自販が合併することに徹底して反対の態度を貫いたそうです。トヨタ生産方式は引取りが原則であり、したがって自販が引き取れる程度にしか生産できない仕掛けでした。その関係の逆転を恐れたのでしょうか?
今私たちは、このことの意味と意義を深くかみ締めなければならないのではないかと考えます。生協は「クリティカルマス」ということで、事業連合を中心に規模を追求しています。質は規模では生まれません。質が先にあり、その質に応じて量が伴ってくるのです。今では大企業となっている企業も、最初は小さな規模からスタートし、質が高まるにつれ大きくなったところが大半ではないでしょうか?生協も然りです。
「高度成長期に生産性をあげるのはだれにでもできることであった。低成長時代に何人の人がそれを達成できるか。ここが勝負どころである」。
今、再び実践で裏づけされた大野さんの言葉に耳を傾けようと思うのです。
コメント
久しぶりですね
投稿者: イトウマン | 2009年07月28日 13:56