ロボットと組織
アシモフのロボット工学の3原則があります。第1条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。第2条:ロボットは人間の命令に服従しなければならない。ただし命令が第1条に反する場合はこの限りではない。第3条前2条に反しない限り、ロボットは自分を守らなければならない。
この3原則が最初に発表されたのが1942年というから驚きます。私が生まれる4年も前なのです。その頃世界は第2次世界戦争の真っ只中で物資が不足し、ロボットなど想像もできない状況下にあったのではないかと思います。ホンダのアシモ君など人間的ロボットがあちこちの企業で造られていますので今なら考えられて当然ですが、ロボットなどがなかったこの時期に、ロボット工学の3原則が考えられたことに驚かされます。
話は変りますが、会社や国家など組織と人間の関係を考えていて、ふと思ったのが、組織とロボットは同じようなものではないだろうか、ということでした。組織は人間が人間で造り、人間が動かします。ロボットは機械です。その違いはありますが、自然により造られた生身の人間は、人生の途中で造りかえることはできません。組織はどんどん造りかえられます。やはり組織は生身の人間よりかはロボットに近いのです。
とすれば、ロボット工学の3原則を組織の3原則に読み替えたらどうなるでしょうか?。第1条:会社・国家は人間に危害を加えてはならない。第2条:会社・国家は人間の命令に服従しなければならない。ただし命令が第1条に反する場合はこの限りではない。第3条前2条に反しない限り、会社・国家は自分を守らなければならないとなります。国を守るとは、会社を守るとは、1条2条に反しない限りにおいてということになりますね。
どうですか? 所属している会社は? 国は? 1条2条に関わりなく、先に会社、国家を守れという主張は、会社、国家が人間をコントロールしようとする発想、思想に満ちていると思いませんか?
私は、アシモフのロボット工学の3原則が、組織まで広げられて、組織の3原則として、組織のあり方を考える必要を、最近特に強く考えるようになっています。
これを読まれた方どう思われますか?
組織ではなく自然人の心で考えてみてください。